2011年5月6日金曜日

<住専損失>追加分「国民負担なし」 利益剰余金活用へ

 旧住宅金融専門会社(住専)の債権回収時に生じた2次損失1兆2124億円(9月末時点)について、金融庁は27日、住専以外の債権回収で得た整理回収機構の利益剰余金約1800億円を活用して穴埋めする方針を固めた。来年1月開会予定の通常国会に、剰余金転用のための預金保険法改正案を提出する。2次損失の処理を巡っては新たな国民負担が生じる恐
れもあるが、「埋蔵金」活用などで回避を目指す。

 機構は11年末をめどに住専債権の回収業務を終了するため、最終的な損失額を確定しなくてはならない。しかし、土地価格の下落などで、機構の買い取り額を回収額が下回る「2次損失」が拡大。2次損失は官民折半で処理することになっているため、国の負担分は6062億円に膨らんだ。政府は、住 FNO RMT
専債権の回収益2157億円(9月末時点)と、国民負担軽減のために民間金融機関などが設立した基金の運用益1562億円(3月末時点)で処理する方針だが、それでも約2300億円分の穴埋めのめどが立っていなかった。

 税金の投入による新たな国民負担は強い反発を受ける可能性が高い。そのため政府は、機構が設立当初の99?00年度、住専以
外の債権回収で得た利益剰余金計1837億円に目をつけた。現在は住専以外の債権回収益は、機構が「預金保険機構」に納付することになっているが、00年度以前は納付規定がなく利益剰余金としてたまっている。会計検査院も9月、「埋蔵金」として、有効活用を検討すべきだと指摘していた。

 住専債権を管理する勘定には債権回収益とは別に、債務
者への融資業務などで得た950億円の利益も積まれている。この一部を活用すれば国の負担分をすべて穴埋めでき、新たな国民負担は回避できる見通しだ。

 一方、民間金融機関の負担分6062億円については、民間が9000億円を拠出した基金の運用益で回収する予定だったが、約4500億円が不足している。この穴埋めとして、預金保険料を活用
することなどを検討している。【中井正裕】

 【ことば】住専の不良債権処理

 バブル崩壊後、法人向け不動産融資を拡大していた住宅金融専門会社(住専)の不良債権問題が深刻化。政府は96年、住宅金融債権管理機構(現整理回収機構)を設立、住専7社の資産約13兆円のうち約6兆円を買い取り、7社を清算した。7社の不良債権約6兆5
000億円(1次損失)の処理では、金融機関の債権放棄などに加え、公的資金6800億円を投入。2次損失については、官民折半で負担することを同年、閣議了解した。

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聖境伝説 RMT

引用元:arad rmt

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